午前4時に起床し、まだ暗い時間に出勤し午前7時には一仕事終える。さらに仲買人のクレーム処理やバナナの検品に走り回る。弊社の商事部に勤める白岩知子さん(25)の1日は、慌ただしい。
早朝に出勤し、青果物の山に囲まれながら時には重い荷物を運ぶ。
トラックやフォークリフトがせわしなく往来する卸売市場で、女性がたくましく活躍している。
なにわの台所を支えるため、日々市場を走り回る女性の雄姿はすがすがしさにあふれている。
今でこそ責任ある業務をこなす白岩さんだが、最初は戸惑いの連続だった。
FAXの流し間違えで何百ケースというバナナの発注を滞らせる失敗も経験した。
女性だからという理由で、品物に問題があってもクレームが自分に回らず、
歯がゆい思いをしたことも多かったという。
それでも毎日のように取引先とのコミュニケーションを繰り返すうち、
「入社3年目ごろから大事な仕事を任されるなど手応えを感じ始めた」と白岩さん。
周囲から特別視されることもなくなり、「主任という肩書もすっかり板に付いている」と男性先輩は評価する。
2003年6月に「セリ人」の資格も取得した。
現在は、セリ売りの少ない輸入関係を担当しているが、将来は国産果実などを担当し、
「1度はセリ台に立ちたい」と意欲を語る。 |